PreTTy BaD !! 3







 テーブルクロスを床に落として(今夜は特別だ。新しいのあるし)、その上に俺はさっきと同様脚を広げて座った。違うのは、そんな俺のすぐ前にゾロがいるということだけ。

 もともと全部脱いでた俺だから、隠すものなんか何もない中、すべてがゾロの視界に入る。

 うわ、見られるのって、悪くねーかも。ちょっとの恥ずかしさとなにより快感への期待感で、すげぇドキドキする。



「――――マジで女になってんな・・・」
 感嘆なのか困惑なのか、複雑な表情でつぶやかれる。どーなってんだグランドライン、とかマジかよ、なんてのも言ってる。

 な?すげーだろ?。ビックリラッキータイムだろ?。

「あ、触ってもいいぜ。いろいろデータとんなきゃいけねぇし」
 科学者もどきの俺の言葉を待たずにゾロの手が伸びた。


 なぜか、頬に。

 ぷに、

 とかるく指で挟まれる。




 一回イッた後だというのに俺の体温より向こうのが熱いらしく、じんわりと熱がうつってくる。
 頬から耳、耳から髪へ、たどたどしく手が伸びる。なでるようにさするように。この男には似合わない『おっかなびっくり』という慎重さで。ゆっくりと触れられる。




 ―――― こいつ、分かってねぇな。

「オイ、首から上さわってどーする」
 思わずつっこんだ。

「いけないのか」
「いけなくはねぇけど。意味ねえだろ。あ、そーいや俺の顔ってどうなってんだ?」
 すっげープリティガールかな。それとも悩殺されちゃいそなクールなレディかな。

 ワクワクして尋ねたが、ゾロはあっさり、
「変わりねぇんじゃねえか?」

 なんだよー、俺のカオにレディのカラダ?。そりゃずいぶんいただけない。どうせならカオもレディにしてくんねーと。萎えるじゃんか。

「そうでもない。つーかどっちでもいい」
「は?」

 意味を把握しかねた。
男のカオに女のカラダでもかまわないということなのか?。

「・・けっこう寛容だなお前」
 俺はお前のツラだったらどんなナイスバディがきても困るぞ。

 想像したくないから想像しないでそういうと、
「お前ならどっちでもいい」
 また、表情の読みにくいツラで答えられる。



「・・・・・・・・」
 またしても意味がとれなかった。もしほかの人間がそう言ったら、それってまるで口説き文句だ。

 どういうつもりで言ってやがるんだ?。まったく、マリモとのコミュニケーションは難しい。こんなんで、ちゃんとした女体データがとれるんだろうか。



 ゾロに全部見せたカッコウのまま、俺は不安になった。












 ―――― のだが。

キッチンの床で深夜、ゾロと向かい合って。

「・・・・・・・・・っ、イ、イかも・・っ」

 俺はカラダを震わせていた。




 とりあえず自分じゃできないことをやらせるためにデカイ図体の剣士がいるわけだから、俺は命令を下した。

 それを素直に聞いた剣士が今、俺の乳首を舌にからめている。
意外に器用で、両手は足だの背中だのにまわって愛撫の手つきでなでまわしていた。

 熱くて力強い指が背中の筋をはっていくたび、太ももの内側を行ったりきたりさすっていくたび、くすぐったさと微妙なキモチよさが脳に伝わってくる。

 オンナノコは全身にヨワいポイントがあるっつーけど、ホントさわられるだけで気分が高揚する。前戯はやっぱ重要。コレもチェックだ。




「・・・っ」
 でもやっぱり、乳首の快感がやっぱダントツで。
自分の指でいじったのもヨかったけど、ざらついてヌレた舌が小さい飴を溶かそうとするみたいに突起を転がしたり、ちゅ、と吸われるたびにずくずく快感がわく。 
 下のアソコと連動してるみたいで、ゾロが刺激を与えてるのは胸なのに、やたらアソコがうずく。感覚で、またトロトロ透明な蜜があふれてるのが分かる。

 ゾロにも伝えたが、俺はヌレやすいみたいだった。血が集まって勃起する、という感覚はないが、じんじん欲情しまくってる。

 アソコに心臓があるみたいにずくんずくんと揺らされて、今はゾロの身体でかくれて見えないけど、さっきまじまじと見てしまったイヤラシイクリトリスが喜んでヒクヒクしてるんだろーな、とか。どんくらいヌレてんだろ、さわりてぇ、とか。

 考えつつ、自然と開きそうになる唇をあわてて閉じる。



 と。
乳首への愛撫が止められた。

 俺の脚の間にカラダをわりこませてるゾロがかっきりした眉を若干しかめて俺を見ている。

「・・・あんだよ・・っ」
 もらっていた快感がなくなったのに、乳首はまだじくじくうずいている。左の乳首のが俺は感じるみたいで、ゾロは早くそれに気づいたから 集中して攻められた左は強い赤に色づいていた。俺はこれを見ただけで勃起できそーだ(ビデオに撮って今後の航海のオカズにしたい)。



「声、だせよ」
「・・・・・あ?。しゃべってんだろーが」
「じゃなくて、あえげって。ガマンしてんだろ」

 日に焼けたゾロの左手が俺の下唇に触れる。軽くひっぱられた。口を開けろと言いたいらしい。つーか、首から上にさわんなっつーのに。

「あえげってもな・・・あえいだことねーもん」
「女の研究すんなら必要だろーが。どんな時にどうあえぐのか」
「あー・・」

 なんかの雑誌で、セックスでのあえぎ声が演技である割合を実際に女性に調査したアンケートってのがあって、その話もあの酒の席でゾロにしたことを思い出した。
 そう、集計結果ではがんばるカレシのために あえいで『あげてる』って答えが意外に多くて。

「ウソのあえぎとホンキのあえぎを区別したいんだろーが。とりあえず声だせよ」
「それもそうだな。やってみる」
「ガンバレ」

 的確な指摘と、気持ちよく応援してくれたゾロのためにも、そして俺がこの先ホンキでよがらせてさしあげる数多くのご婦人のためにも、と俺は声をだすべく決心した。







 が、また愛撫を再開されても、つい声を殺してしまう。
殺そうとするってことは出す用意はできてるってことだから、ようはキモチの問題みたいだ(そいや男優でもやたら声だすヤツもいるが。キモいが)。
だからあえぎってのは別に男女関係ないんだろうけど)。

 シブいダンディーで通してきた俺はマジでセックス中に『あえぎ』に分類される声なんか出したことがなくて、要領がわからない。




 なかなかあえげない俺にイラついたのか、今まで触れてもいなかったのに、いきなりゾロの指が乱暴に濡れた足の間をかきまわした。

「わっっ・・・・・あっあぁっ」

 最初のは単純に驚いた声。
続いて出たのはきっと・・・・・・・鼻にかかって裏返った・・・これがあえぎだ。


「出せるじゃねえか」
 あげさせた声に満足したらしく、ニヤッと悪人ヅラで笑った男の乱暴な手がとまる。こいつ・・・手段を選ばねぇヤツだな。


「・・あ・・・」
 文句を言ってもよかったが、それより、ちょうど俺のイイとこ、クリトリスにゾロの指があたってて、どうでもよくなった。
 俺はもっとやってとその手に性器を押し付けるように腰を揺らした。自分から動いたせいで股間にあたってるゾロの熱い手の感触がリアルに伝わってくる。
 ちゅ
軽いキスのような水音が濡れたアソコと手のふれあいによって生まれた。

 ゾロは俺の背中にまわしてた左腕を、震える腰にあててなでまわした。落ち着けよ、ってかんじに。
「さっき一回イッたんだろ?余裕ねぇな」

 からかってるのか、驚いてるのか判断つきにくい声音で話しかけられる。会話なんかより、止まっちまってるその指でなんでもいいからシやがれと怒鳴りたくなった。

「・・・だっ・・すげえイイんだって・・っ。ソコ、お前が指でかきまわした時、また、イキそ・・・っ」
「一回目はどうやったんだよ。自分でやったんだろ」

 ゾロの人差し指がちょん、とクリトリスの先をつっついた。それだけでまた声がもれた。


「言えよ、サンジ」

 こいつが俺の名前 俺の前で呼ぶの珍しいな・・・・・・下半身の欲に頭のほとんど持ってかれてる中でもそう思った。そのくらい珍しい。
 それと、一回目のひとりエッチのことをちゃんと言わないとヨクしてもらえないっつーのも分かった。こいつもレディのカラダのイクしくみをくわしく知りたいようだ。

「・・指でっ・・お×××いじって・・・・あっ・・・・それだけだって・あっっ」
 途中で言葉が止まったのは、ゾロがまた先端をつついたりつねったりしてくるからだ。

「俺すげーヌレて・・・すぐイッちゃ・あっ」
 ゾロの指が一転、今度は優しくソコをなでた。十分潤ってるから摩擦なくするっと刺激が通るカンジ。それと、分かってはいるけどぬるぬるになってるってことがまた快感だった。
乳首もよかったけど、やっぱココだよな。

「んっ・あ・・あ・」
 一回出せちゃえば声は簡単にでる。いやーん とか ああん とかいうよりは一語一語がゾロの動きによってつい出てしまう。かたい指先がクリトリスをつついたりその両側をもってサオにするみたいにちゅくちゅくしごいたりするたびに吐息と声がもれた。

 ソコの感覚もだいぶわかってきて、最初自分の手でひとりエッチした時はどこがどうイイのかもわからず こすっただけだったが、今はゾロの指がクリトリスの真ん中をくるくる回すようにつついてるとか、ひだの先っちょをつねってるとか、快感と一緒に情報もはいってくる。

 てか、こいつ意外にウマイんじゃねーのか?。俺、マジあえぎ声だしてるし。


 ふと、ゾロと目があう。
なんで俺の顔見てんだ?。


「・・・・っ?・・見ていいっつってんだろ?お×××も。な、すげーイイ。俺じゃあんま見れねぇんだからかわりに見ろって。よがってんのって見て分かるか?」

 脚をもうちょっと開いてやる。ゾロからはもう丸見えだ。レディのびしょびしょのアソコをこんな大サービスで見せてもらえるなんてめったにねーぞ。


 ゾロはちょっと複雑そうなカオをしてみせた後、言われたとおりさらされたソコに目をやった。

「ああ、すげぇヌレてるな。俺の手もびっしょりだ」
 な、と手をあげられる。ゾロの手が離れたことが刺激になってまた快感がはしった。
 言葉の通り、ゾロの指はあかりに照らされて光っていた、ひとさし指と中指の間をてれ、と液がつなぐ筋も見える。それが水などでなく確かにレディからの愛液だと思うと、またゾクリと背が震えた。
 思わずゾロの手をとり、その指に舌をはわせる。

「っ!」
 驚いたようにこわばったそれが逃げようとしたのは一瞬で、ゾロは俺のするままに手をさしだした。

「んー、透明だし、味もそんなねぇかも」

「研究熱心だな」
 あきれたようにゾロ。


 こんな会話の時は愛撫もとまってるし、いいかげんアソコもそろそろ限界だった俺はなあ挿れろよ、と水を向けた。

「そんな濡れてんだったらはいんだろ。えーと、指とお前の×××と、あとナニがいーかな。バイブないんだよなークソ。食い物挿れんのはよくプレイとしては聞くけどやっぱちょっとなー」
「すぐ挿れねぇよ」
 せっかくだからいろいろ挿れて試したい。という俺を遮るゾロ。


「初めてだろうがこのカラダ。・・・無茶させねぇ」

「・・あ・まあ処女のはずだよな、多分。・・処女膜あんのかな」

 そんな会話より、はやくさっきのを再開してほしい。かなりのトコまで高められたので、うずきがとまらない。挿れなくてもいいからいったんイカせて欲しいな、つーかこの際自分でヤッてもいいんだが、やっぱ他人にイカされる感覚が欲しいしな――――



 等々考えてたので、ゾロの言葉の途中が聞こえなかった。


「――――――――から、やさしくする」



















「あっあっあっあっんっんっっっ」
 さっきまでのはゆるやかな様子見だったらしく、ゾロの指はより正確にイヤラシク俺のツボを攻めてくる。

 特にクリトリスを集中してこすられると、それだけでぐんぐんイキたくなってたまらない。開いてる脚がゾロのカラダをしめるように力がはいる。やめないでという無言の催促のように。

 すげぇヌレてる、と言った時以上にきっとドロドロだ。下にもぐりこんだゾロの指はその動きのたびにぴちゃぴちゃねばった水音をくっつけてて、たまに四本の指で性器全体をマッサージされると、じゅぼっ、と盛大な音。アソコは洪水だ。

 あふれる液は愛撫しやすくするためだけじゃなく、離れないでとゾロの指にねだるためでもある気がした。ねばついてるのも、離さないでもっとこすってともっといじれと、もっともっと濡らせてくれと男にねだっている。


 キモチイイ


 もう何度もイッてる気がするが、実際はイク寸前が続いてる。
この高揚感はなんだろう。男と違って、たまってるもんを出す、出したいってのとはまた違う快感。
 奥から響いてる。
アソコ近くの腹の中に溶岩のかたまりみてぇなものがあって、それがカンジるととろとろ蜜を出したり、イキたいと、この快感を増幅している気がした。


 キモチイイ


「やっあっあっ」
 俺の様子を察知したのか、ゾロは集中してクリトリスをしごく。熱い指がむきだしにしたソコを包んで、音をたててこすったりつねったり。いじられる。じんじんと甘いしびれと快感。

 自分でするものじゃない刺激は、予想できないから、思い通りにならないから強い。自分でシタのとはくらべものにならない。
 この男の指が俺をイカせてくれるなら、理由なくこいつのためにハラマキの洗濯くらいやってやってもいいと思うくらい。


「あっそこっそこっ」
 クリトリスの奥、そこをもっといじって欲しくて臆面もなくエロビみてぇな声がでる。とりあえず今のとこ俺は演技あえぎ声はゼロだ。ホントにキモチよくって声がでる。ゾロに、あえがされてる。

「あっあっあああ・・・・っっ」
 いいトコロをとらえてそのまま強く吸われて俺は達した。






 吸われて?。

 そう、気づくと俺の脚の間にゾロの顔があった。俺と目が合うと、ゾロは人が悪そうに(悪いんだが)ニヤっと笑ってイッたばかりのそこをぺろっとなめあげた。

「ああっっ」
 びくびく、そこがまたふるえる。ざらつく舌の感触は強すぎて。つづけざまにまたイカされるかと思ってしまう。


 ゾロはうまくカラダがうごかない俺を抱きしめた。
抱きしめたらせっかくのイッたトコのソコが見えねーじゃねーか、と思ったが支えられてるのは楽で、ゾロの肩に頭をあずける。

「すんげーキモチイ・・・・・」
 あえぎにも似た声で言う。

 抱きとめられたことでゾロの身体と密着して、ふとももにあたってるカタイもんに気づいた。


 もちろんそれは目の前のオトコのナニなわけで。




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 ―――― こいつって。



 俺のことマジあえがせてマジイカせて。そんで、自分もギンギンに勃ってんのに挿れようともしねーで。

 いくら俺の顔だとはいえ。
俺だったら、レディのカラダが大また開きでしかもヌレヌレでそこにあったら、そりゃもー突っ込みたくてたまんなくなるだろうと思うのに。

 なんなんだコイツ。ニブイのか? 持久力あんのか? こらえ性があるのか?。






「・・・・・・・・・」
 ちょっと、男として敗北感を覚えた。









つづく





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アホすぎ!。
伊田くると



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