PreTTy BaD !! 4





 ゾロはイッた後俺がおちつくのを待ってたらしく、少し時間をおいてまた指を俺の脚の付け根に持っていった。もちろん大歓迎だから文句なんて出ない。

「あっ」
 嬉しさに声がでて、クリトリスが震える。
何度でもイケそうだった。

 今度はゾロはクリトリスをいじってくれず、指がちょうど真ん中のあたりに止まる。

「・・・・・・・あ」
 どこかは・・・分かる。一度、指をはわせて確かめた。そこは・・・

 ちゅぷ

「・・・・・っ」
 ゾロの指先が触れた場所。
触れるまでに一センチほどもぐっている。花びらに守られた場所だから、そこをぬけてやっとつく場所。

 ドキッとしたが声はでない。単純に気持ちよくなかったからだ。
クリトリスはさわられただけでどんどんヨクなってくるけど、ゾロの指の腹がトントンと入口の具合を調べるようにつついても「あんっv」なんてことにはならなかった。

 指を挿れるまでは自分でもできるから俺がやってもよかったんだが、ゾロがけっこううまいのがわかったので指挿れもやらせることにした。ハメちゃねえけど対面座位のカッコウでおうかがいをたてるように入り口をいじるゾロ。


「はやく挿れろって」
「・・・。痛かったら言えよ」

 イラついた俺と反対に、服の下でギンギンに勃ってやがるくせにまた人道的(?)なことを言う。自分の足ダンビラで切ろうとしたやつの言葉かソレ。


「つかお前ヌかなくて平気なのかよ」
「平気でもねーけど」

 フツウは平気じゃねぇだろ。
勃ってたよなぁさっき。俺の勘違いじゃねえよな?。

 表面上のこいつは別につらそうではなかった。だから、(もともと俺は男に優しくする気もないし)ゾロの(ムスコの)ことは気にしないことにする。自分はイカせてもらったけど、まあそれとは別だ。



「じゃ、挿れるぞ。力抜けよ」

「おうハジメテは痛ぇっつーから少しはガマンする」

 レディのカラダを調べるなら、やっぱここは外せねえし。いつかちょっとマニアなプレイがお好きなレディと出会う時のために、バイブとかほかにも異物挿入までクリアしときたい。なんて今後の研究方針をたてる。

 つーか、ハジメテはみんな指でいいのか? まさかいきなりブツをつっこまれるもんなのか?。実は処女とはヤッたことない俺には分からない。ローションとかいいのかな、まあ俺ヌレヌレなんだけど、どうしよう、すっげヨクなったりして。つか声出すのもイイよな、なんか興奮が増すっつーか。男に戻ったら出せねーけど。やっぱ男のあえぎはよくねーもん。今のうちにもっとあえいどきたいな。それから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。







 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「いぃぃぃってぇぇぇぇぇぇっっっっっっ!!!」




 ワクワクモードな俺の思考はとだえた。

 それどころではなくなったからだ。




 俺が声(あえぎではない。全く)をあげたとたん、ゾロはすぐ指を抜いた。が、それでもまだ痛い。すげーイタイ。痛い痛い痛い――――


「おい、大丈夫か」

「いっっっっいた・・・・・・・っ」

 うお、あまりの痛さに涙でてきたっつーの。


 俺はペタンとオンナノコ座り(そいや男はこれできないんだよな)をして、ジンジンズキズキ痛むそこに手をやった。さっきまですげーキモチよかったのに、痛みがすべてを上回ってしまっている。

 ゾロは自分まで痛そうなツラをして、心配そうに俺を見下ろしてきた。いやがる処女に困った男そのままかも。

 なだめるつもりか俺の頭をなでたり涙をぬぐうしぐさをしたりする(涙目にはなってるがホントに泣いてるわけではナイ)。


「くっそーマジいてぇ・・っアバラ折った時のがずっとマシだぜ・・」
「大丈夫か?、多分第二関節くらいまでしか入れてねぇぞ」
「マジかよ・・・」

 ゾロの手つきは丁寧だったと思うが、そんなのどうでもいいほど痛かった。今まで感じたことのない痛覚の痛みで、ケガと同列にすんのは違うけど、何度もしてきた骨折よりアットー的に痛い!!と断言できる。血とかは・・・出てない、みたいだけど。怖くて&痛くてそこに触れられない。見られない。


 首を曲げると、気遣うように肩におかれたゾロの左手が視界に入る。
男っぽい、骨っぽい手、指。


 ―――― 挿れたっつってたのはきっと人差し指か中指で・・・第二関節って・・・・・・





 ゾゾゾっ、とカラダが震えた。























「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なあ、てめぇ、ちょっと脱げ」

「は?」
「脱げって」

 数分たって、すんげー痛かったのもちょっとだけ治まって(または痛みに慣れて)きたので、俺はばっとゾロのハラマキを上にひっぱりあげると、ついで黒いボトムに手をやった。
 あっけにとられたツラしてたがかまわずにベルトを外して下にずらす。下着ごと。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」

 またゾゾゾっ、とカラダが震えた。
ガーンとかゴーンとかいう音が頭の中に響いた気までした。


「・・・・・・(汗)」

 初めて見るゾロのそれはデカかった。まあコイツが短小だったら笑えるが。

 通常サイズがわかんねぇからどのくらいギチギチに勃ってるのかは分からない。先走りは少ない方みたいだし。しかし、ちょっと下ろしたズボンとハラマキの間から姿を見せたソレはひと言で言うと凶悪なシロモンで、悪霊退散とか札はって祈祷したいくらいの恐怖だ。

 指一本(しかも途中まで)であの痛さだったのに。

 これツッコムなんて、正気の沙汰じゃない。





「ゾ、ゾ、・・・」
 俺はなんてバカだったんだ。指にチ×コに、ふっといバイブにとにかくいろいろ異物挿入?。
 そんなフルコースを試しまくるなんて。

 痛ェじゃんものすげ痛ェじゃん!!!。そんなことしたら死ぬっつーか想像もできない恐怖じゃん!!。


「ゾロ、俺・・・」

 ヤツの辛抱強い(らしい)息子さんからゾロ本人に恐る恐る目線を合わせる。

 自分から「お前の挿れろよ」なんて高飛車に命令してコトを進めた手前、しかも日頃から気に入らないコイツに泣きいれるなんて。この上ない屈辱だ。
 とはいえ背に腹は代えられない。つーかこの痛みはもうゴメンだ。


 なんて言えばいいのか、どうしたら自分のプライドを守りつつコトをおさめられるか、延々と逡巡してる俺に、ゾロはかっきりした眉をちょっとあげ、それから笑ってみせた。


「あー、気にすんな」


「ムリにヤッたりしねぇから。安心しろ」

 言いながら触れたままだった左手をあげ、ガキにするみたいに頭を軽く叩く。そして静かに手を離した。言葉の通り、これ以上先は進まないという表示みたいだった。




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 ゾロ。


 こいつ・・・。

 実はいいヤツなのか・・・?。





 目の前の男と航海を同行してずいぶんたつけど。
今夜は知らない面ばかり見た気がする。
実はうまいのか?とか実はいいヤツなのか?とか。


 こんなアッサリ、引いてくれるとは思わなかった。






「でも、俺だけ・・」

 そんなアイツと反対に、俺って卑怯だ。ズルイ。苦々しく痛感する。
「俺だけイカせただけじゃダメだ」とか「もうしわけない」なんて逆接をしおらしく反論してみたって、そんな気もないくせに。こいつが否定するの分かって待ってる確信犯じゃねぇか。


 そしてやっぱり、
「だから気にすんな。俺はまあ、後でヌくし」

 ゾロは俺の計算高いセリフに、ホントに気にするな、というように目を細めて笑った。





「・・・・・・・・・・・・・」


 どくん



 どくどくどく






 こっこいつ・・・・


 もし俺が、『今日はカレシと初エッチするぞ!』と思ってたのに、でも直前になって怖いとか痛いとか言い出しちまったオンナノコで。

 相手の男がてめぇもしたくて勃ってんのに、すげぇ優しくむしろ俺のカラダに気をつかってくれちゃったりなんかしたら。













 ―――― そりゃ惚れるだろ。












「・・・・・・・・・・」
 いやちょっと待て俺!!。

 別に俺は初々しいオンナノコではないしこいつは包容力のあるカレシでもない!!。




 そもそも、いくら目の前のオトコが優しげに俺を許し微笑んだところで、その下ではまぬけにヤツの×××がズボンとハラマキの間からカオだしてるんだぞ。これは単にアホな状況だ!!。



 そうは思うのに――――




 どくどくどくどく


 イった時と同じくらいに速く心臓が鳴っている。





 なんだよこれ・・・。





 床に投げてたカッターシャツを拾ったゾロが、それを俺の両肩にかけた。
熱いヤツの指先が肌に触れる。


 さっきみたいな口先じゃなく、ホントに申し訳ない、というキモチが生まれた。


「わりぃ・・・・」



「あの、今度・・埋め合わせすっから」





 ヤロウに対して、こんな殊勝なキモチになったのは、初めてだった。






 速い動悸がとまらない。





 じょじょに治まってきたソコの痛みと反比例して、なにか、違う感情がうまれそうで、俺は目を伏せた。












END





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とりあえずヤんないまま完。
次はエロなしなので表に続きます。
伊田くると



03 8 31〜03 10 5