PreTTy BaD !! 2  




「レディとヤる時、ぬがせる前からヌルヌルだったりするとなんか嬉しいけど、実際はどこがどんな風にヌレてんのかわかんねぇよな。そーゆーのも知りたくねえ?



 ―――― なんて言ったが、やっぱり分からない。









 気づけばそこは既に雫をこぼしてて、俺の指はそれを広げるように動いてたから。
調べられない。それどころじゃなくカンじていた。

 快感に種類はあるんだろうか。男の時と、違うような似てるような。
思い出せないから比べられない。

 でもキモチイイ。
身体は自分の手の愛撫に確かに感じて、もっととねだるように誘うようにそこを潤している。




 特に場所を定められずにただ性器の表面全体に刺激を与えるだけの単調な指の動き。
実際男がこうしたら女の子は「へったくそ」と思うのかもしれないが、初めての快感に俺はきっと沸点が低くなってる。そんな動きでもすごくヨクて、静かなはずの室内に水音がまじりだす。

 グチュクチュ音をかなでるソコ。
ソコそのものがイイというより、ソコより内部で感じてる気がする。濡れてるソコを乱暴なくらいにかきまわす。
 ほかと違う、性感帯をもつ皮膚がうねる。


やわらかい。

熱い。

イヤラシイ。


 指が止められない。もっと派手な音をたてたくて、わざと少し離してからまたこすりつけるのを繰り返す。その音にまた脳が高揚する。



「――――っ」
 まばらに拾っていた快感が一点に集まってくるようなカンジがした。どんどんと強くなる。



 あ、もうすぐイクんだ――――


 それは分かった。ここで手をはなしたらその感触が失われることも。
もっとも、ここで手をはずすことなんかできなかったろうが。


 よく、「すぐ挿れる男はサイテー」というけど、それがよく分かる・・・かも。
ナカじゃないのに、こんなにでろでろに溶けてこんなにキモチよくなってイケるなら、挿入なんかなくてもいいと思うんじゃないだろうか。




「――――っっっ」

 チュプ、とひときわ大きな音をたてて指が突起をもんだ時、腰を起点に身体が震えた。たててたひざがハネて前より開いた。一瞬なにもできなくなって、右手の動きも止まる。


「ん・・・・・・・はぁっ」
 ため息。動悸が激しくて、息があがっていた。















 イッた直後のアソコは細かく痙攣している。キモチイイのが続いている。波のようにずくずくとカンジて震えている。まだイキ続けてるみたいだ。

 当てたまんまだった指が察知する女性器の鼓動。ひゅくひゅくと収縮して、イヤラシクうごめく熱い皮膚。俺の指をつかまえようとしてるみたいにからみつく。




 ―――― 外見は未発達ぽいけど、ナカはそうじゃねぇみてぇ・・・。

 まだ触れてもいないナカがうずいてるのが分かる。

 これは・・・男にはない感覚だ。イッたらそれでけっこースッキリして、よし料理でもすっか、なんて気分になるのがいつもなのに、ぴくぴく動いてるソコはねだるのをやめない。
 ある程度『イッたー、すっきり』感はもちろんあるんだが、まだたりないと思うのは、俺の心が貪欲に求めてるのに対応してるんだろうか。





 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・イレたい。



 男心として、今触れてるヌレヌレのここにつっこみたいと思ってるのか、そうじゃなく挿れられたいのかは分からない。イッた後のソコはひどく敏感になってて、指の腹でそっとなでただけで痛いくらいの刺激がくる。

「・・・・っ」
 あわてて手を離した。触れなくても、そこがまだうごめいてるのはもちろん分かる。

 イッてすぐまた激しく再開すんのはそんなヨクねーみてぇだな。イッた後のレディって、ぐったりしてて無防備でかわいくて。つい声あげさせたくなっちゃうけど。
 なんもしねーでもすげーイイから、放っとけとかレディは思ってっかも。またひとつ収穫だ。
 心の『女体の神秘メモ』にあらたに書き加えた。










☆☆☆☆☆








 一回イッて一分ほど時間をあけて落ち着いた俺は、今度は形を確かめるようにゆっくりと下から上にそこをなぞった。
 痛いほどの刺激はもうなく、適度に熱くほてってるソコは俺の指に拒否反応を見せない。キモチよくイッたことでまだどくどくと液があふれている。触れただけでまた水音が鳴る。

 自分では見えないソコは迷路のようだった。
ひだが道を作り、大事な部分をかくしている迷路。かきわけていけば肉の花びらの奥にさっき俺の想像の中でバイブを飲まされて広げられていたアナの感触があった。


「・・・・っ」
 指先をそこに当てると、そのまま力をいれてずくずくと指の付け根まで埋めこみたいという欲求をおぼえる。だがそれは後にして、とりあえず俺は指を先に進めることにした。さらに上。

「・・・っっ」

 つくん、とアナの上の位置にちょこんとあるでっぱり。

 足をひろげてのぞきこむと、浅い場所だからまだヒクヒクと動いているソコが見えた。

 暗く赤いピンク。触ってわかる通りヌレてテラテラと光ってる。レディとセックスしてそんなに細かく観察するなんてできないので、明るいキッチンのライトの下ではっきり見たのは当然初めてだ。


 男でいえばここがペニスなんだよな。だから、カンジれば勃起する。今この状態がそうなのかはわからない。イッた後だし。

 女の子を濡らすならまずここだよな。ちいさいのにすげー威力でレディの身体を淫らにさせる。







 以前、かわいらしいお嬢さんとの情熱的なキスの合間に、ついでというカンジでスカートの中に手をさしこんで下着の上からそこをひとさしゆびでコロコロして遊んでたら、途中からキスどころじゃなく彼女があえぎだして、挿れてって言い出したことがあった。

 物陰とはいえ住宅街でのことで、キスと軽いぺッティングで終わらせる予定だったのに、下着が粗相したみたいにびしょぬれになってて、驚いた。清楚系だと思ってた彼女が挿れてとかイカせてとかねだったのも初めてだったけど、酔ってもない彼女のカラダを恥じらいを忘れるよう指令をだしたのは、この小さな突起だと知った。







 今はソレが俺の脚の間でヒクついている。さっき俺がイッた時感じた快感はあのお嬢さんと同じものだったろうか。



 ―――― ホントに、オンナノコなんだよな・・。



 ついソコを観察してしまう。
男のもそーだけど、まグロテスクだなやっぱ。と冷静に思ってしまう部分と、大きく開かれた(開いてんのは俺だが)無防備なカラダに欲情を覚える部分。

 今すぐイジってイカせてつっこみたいような、イジられてイッてナカにつっこまれたいような。


「カラダがふたつあればなー。俺もレディで、んでもひとりの俺がつっこむと。ん?そーすっとイク時はどっちでイクんだ?」

 自分でもアホだと分かる(でも切実な) 望みをまたひとつ心の願望リストに加えていると、バタン、と突然ドアが開いた。
































 
やべ。



 ドアに手がかかるまで他人の気配に気づけなかったなんて。


 手に入れたレディのカラダに夢中になってた自分のうかつさを後悔した。
そして、その『招かざる客』を思うとさらに後悔なんて言葉じゃたりない。




 いくら油断してたって、俺が気配を探れない相手ってのは多くない。別に向こうが隠しているわけじゃないけど気配が薄い人間ってのはいる。




 それはこの船ではたったふたりだ。




 うるわしのロビンちゃんと。




 クソ剣士。












 げげっと思って振り向くと、




 ぎょぎょっとしたカオで扉をもったまま固まってたのは後者で。








「よかったーーーーーっっっvvv」

 俺は、目の前のハラマキマニアに、出会ってまだ数度しか抱いていない好感をもった。










☆☆☆☆☆









「いやー助かった!!。ロビンちゃんに見られたら一巻の終わりだったぜ!!。そりゃ俺の探究心と研究心は、ロビンちゃんの考古学にかける情熱と同じであることは否めねぇ。でもやっぱ・・・」


「つーかてめえナニしてんだーっっ!!」


 ゾロの前に駆け寄ってよかったよかったと胸をなでおろす俺の言葉も終わらないうちに怒鳴られた。




 ゾロはまじ仰天したカオで、がなったもののまだしつこくかたまっていた。こんなにビビってるこいつを見るのはそーいえば初めてだ。

 そか。やっぱ驚くよな。俺も最初はびっくりしたし。
親切な俺は説明してやることにした。

「ホラ、俺女の子になったからさ、カラダを調べ・・・」

「は? わーっっっ
てめえドウしたんだーーーーーーっっ!!!?」


 ゾロは俺のカラダを初めて直視し(そういえばなぜかコイツは目線をずらしていた) そしてさらに絶叫した。




「・・・お前意外にリアクション激しいなぁ」
 ムッツリつーか、いつもひょうひょうとしてやがるコイツの別の一面を知って俺がしみじみしながら言うと、


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺にわかる言葉で説明しろ・・・・・」
 またも俺から目線をはずし、下むいたゾロがネクラちっくにつぶやいた。









 五分後。
ちょっと落ち着きを取り戻したらしいクソ剣士はまず、テーブルクロスをむりやり俺のカラダにまきつけた。ので、白いワンピースみてぇなかっこうになった俺は、女の子になるまでの経緯を話し終えた。



 どーだ。さぞうらやましかろう。

 しかしゾロの反応はシリアスだった。


「・・・チョッパー起こして診てもらうぞ。来い」
 偉そーにとがり気味のあごをしゃくってドアの方に向かおうとする。声音がマジだ。カオもマジだ。


「え?」
 なんでだよ。


 俺がびっくりすると、ゾロは(テーブルクロスを身につけてからはちゃんと目をあわすようになった)、キッ、と元からキツイ目なのにさらに俺をニラむ。

「毒食ってそうなったってんなら害でしかないだろうが!。夜中だとかみんな寝てるとか、てめェのことだから気にしてんだろうが非常時だろ。どうしてテメェはいつも自分を二の次にすんだよ。それがお前らしいのかもしれねぇが、俺は!!――――いや・・・俺もルフィもそんなの望んじゃいねぇ・・・!」

 まだマジモードの男。
なんだかシリアスぽいセリフを吐き、つらそうに床に視線を落とす。

「・・・?」
 なんかの決め台詞っぽかったが、的外れなこと言ってるのだけは分かった。なので、俺はすぐ反論する。そんなにすぐチョッパーに診てもらう必要はない。

「チョッパーに診せたら治っちまうだろ!!」
「?。治すんだろーが」
「そりゃ最終的には治すけど、せっかくなれたんだからヤッてからでも遅くないだろ!」



「??・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 ここでようやくアホゾロは会話のズレに気づいたらしい。きょとん、といつも凶悪な目が点になっている。


「レディのカラダになれたんだから、日頃したかったコトやったっていいだろーが」
 おおいばり、のポーズで両手を腰にあてる。おさえていたのを急にはずしたので、のりみたいに ただ巻いてただけだった白い布は はらっとめくれて上半身をあらわにした。

 直すのもめんどいのでそのままカラダを指差す。
「な?」

 せっかく『オンナノコ』になったんだから。










 次のゾロの返事まで、数分はかかった気がする。かなりフリーズ入っていた。脳の容量が少ないらしい。だからいつもナミさんのありがたいお言葉もスルーしてしまうんだろう。かわいそうに。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。服直せよ・・・・・何がしたいんだ?。」
「そりゃナニだ」

 やっと口を動かした男にオヤジなノリで答えてやる。簡潔で事実だ。明解。


「前にお前にも言ったろーよ。もう忘れてんのか?。レディになれたらいろいろ調べたいヤリタイっつったろーが」
「忘れてねぇけど」
 ゾロはなぜか即答した。

「あん時言ってたこと、やるつもりなのか?」
 感心にも内容もきちんと覚えてるらしい。

「おう、とりあえずさっき一回手でイッたトコだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そ、そうか」

 またタイムラグがあった。げほげほせきこんでいる。



「つってもまだやりてぇことの一割もやってねぇ!!。俺様の野望はつきねぇんだ」
 宣言しながらため息がもれる。そうだ、まだこすってイッただけで、ナカになんか手も出してない。つーか挿れてない。

 そう思うと、またソコがうずいた。男で言うと、血が集まってサオがかたくなるカンジ?かな。


「次はナカいじんぞ!ってトコにお前が来たんだよ。なぁお前どう思う?。まず指でどんなか調べて、それからイロイロ挿れてぇなとか思うんだけど。つってもこうなるなんて思ってなかったからバイブとか持ってねぇしー。お前持ってるか?」

 質問を受けた相手はまた咳き込んでいた。持病だろうか。

 それから、直せと言われたのにそうしない俺に焦れたのか、ゾロがやけに慎重な手つきで俺に布をかける。とりあえず隠したいらしい(せっかくなんだから見ときゃいーのに)。


「なモン持ってねぇよ・・・・・つーか、お前ホントどんな育ちしてんだ・・」

「客船生まれ海上レストラン育ちだ!。なぁ、早くナカいじりてぇんだよ、俺ヌレやすいみたいで、もうヌルヌルになってっし・・・」

 いいアイデアあるなら出せ、とゾロをにらみあげると(あれ、いつもより目線が低い。背も縮んでんのか)、布を持ったままゾロはごくりと息をのんだ。







 その後のゾロの声は、なんだか感情がないような、正確には感情を押し殺したような静かなもので、
「・・・・・・・・・・・お前いつも女は大事にとかいろいろ言ってっけど、バイブ挿れたりいろいろすんのはいいのか?」
「レディにむりやりそんなことしねぇ!!。でもコレ、レディのおカラダだけど俺だろ?。俺なんだからナニしたっていーじゃねぇか。女体を探る研究だし」










 女の子が大好きだ。尊敬してる。

 だから、女の子のセックスはすげー気を遣ってるし、そうして当然、当たり前だと思う。ムリヤリだとか自分本位なセックスなんて絶対しねぇ、と。

 きっと今だって俺はレディをよろこばせるテクを持ってるが、よりヨクしてあげるためにレディのカラダが知りたい、つーのは本気の本音だ。自分のカラダとはいえレディの性器をいじった時には罪悪感も感じたが、やっぱこれって俺だからな。


「いろいろ実験しねぇとってわけ」

「・・・・・・・・・・・なるほど。自分ならいいのか」
 ゾロが腕組みしたしぐさと連動して、腰の三本の刀がゆれ、カチャリとかたい音をたてた。鞘と鞘のふれあう音。その音質が俺はなぜか嫌いじゃない。



「実験な・・よーするに挿れたいんだろ?」

 ソコに。

 というように、ゾロの視線がテーブルクロスがまだ巻きついてる俺の下半身におりてきた。下半身、じゃなくあきらかに脚の付け根に目は留まってて、一瞬ゾクリとした。
 呼応してまた、ソコがうずく。


「・・・・・・・・ああ、挿れてみてぇ」

 答えて、目の前の男を見上げた。
暗い緑と黒の間の色した目。


 視線がからむ。


 キョドってたさっきと違って、射すくめるような視線。




 ―――― そっか、こいついたんだっけ。





「・・・・・・」

「・・・・・・」





 きっと後から思うにゾロのヤツも同じことを言おうとしてたんだと思う。

 が、口にするのは俺が先だった。





「なあ、お前のでいいや、挿れろよ」








 ―――――――― そんで、絶対俺のが即物的な言い方をしたと思う。












つづく












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「〜〜いい」というのは失礼ですよ、サンジさん。
伊田くると


03 5 27〜