―――― 『お坊ちゃんは、虫も殺したことございません、て?』




 三上亮のことを考える時。



 ほかの選抜の連中は、まずポジションだとかプレイスタイルだとか・・・そういったことを思い浮かべるだろう。


 名門・武蔵森のMF。2年連続司令塔であり続けたエリート。
技術は確かで少し攻撃的。監督のかかげる近代サッカーをよく吸収し実行する力をもった優等生。


 あの日のことがなければ、俺もそれだけ、のはずだった。
そこにプラスして俺につっかかってくる性格悪いヤツ、という程度。




 けど。

 三上亮のことを考える時。




 浮かぶのは、シワのないブレザー。
長身のせいもあって それに身を包んだ彼はおとなびて見えた。高校生みたいだった。



 今から1ヶ月ほど前だ。



『桐原』

 そう、俺を呼んだ。



『お坊ちゃんは、虫も殺したことございません、て?』



 三上亮のことを考える時。
浮かぶのは、いつもその場面だけだ。













君へ 9
〜夕焼けの影〜






 会ったのは偶然だった。

 その日 俺は学校を早退して総合病院で診察を受けた帰りだった。
前の練習試合でヒザを接触で痛めていて、念のための精密検査。結果が分かるのは後日だけど、経験的に大したことはないだろうと楽観していた。痛みも完全にとれていたし。


 時間は午後2時を過ぎたくらいだ。
今から学校に戻るべきか少し悩む。6時間目の途中くらいになってしまうから、部活のみ参加になるだろう。大事をとって見学しろ、と実は心配性なマネージャーに しかられそうだ。まあ仕方ないか。


 病院からの最寄の駅につき、行きと同じ額の切符を購入して改札を通る。桜上水行きは2番線だな、と確認していると、

ガコン、

 耳障りな金属音が近くで鳴った。通路の壁の片側一面に並んだロッカーの扉を誰かが乱暴に閉めたらしい。


 自然、そっちに目がいった。



「・・・・」
 あ。


 中段のロッカーの鍵をしめた その横顔には見覚えがあった。
まずいな、と反射的に思ったが、視線に気づいたのか そいつは ぱっと こっちを見返してくる。



 三上亮だ。



 向こうも俺に気づいたようだ。眉の下の黒い目が少し みはられる。
意外な所で会うな、と思ったのはお互い様だろう。こんな時間にこんなところで。



 ――――よりによってこいつと。



 他校のサッカー選手、というだけなのに、この気まずさはなんだろう。

 俺がこいつに直接なにかしたわけじゃない。俺は悪くない。そう思ってしまうこと自体言い訳みたいだ。三上亮を見ると、どうしても気まずさを感じる。


 有料ロッカーにはカバンを預けたらしく、制服姿のヤツは手ぶらだった。
ロッカーの鍵を無造作にポケットにつっこむ。それから、感情の読めない目で俺を見下ろした。

「・・・・・」
 つい足を止めてしまっていた俺は、一応会釈らしいものをして通り過ぎようとした。

 厄介ごとに関わってるヒマはない。

 会話もしない方がお互いにとっていいだろうと判断したからだ。
こいつと俺の、というか俺と親父の間にあったトラブルは一応は立ち消えたことになっているが、その根が消えたわけじゃない (だって、親父のしたことは こいつのサッカーのプライドを壊したも同然だ。武蔵森でサッカーを続ける限り消えるものじゃない)。



 しかし、穏便に済ませようと さっさと立ち去ろうとした俺に反し、ヤツは歩く俺の腕をつかまえる。

「なんだよ」
「・・・・・・・・・・・・来い」

 簡潔にひとこと、そしてつかんだ腕をひっぱって違うホームへ進もうとする。

 怒っている口調でないのが逆に不気味だった。かといって からかっている感じでもなく。



 階段をのぼらされる前に、天井にかかった電車案内を見る。
4番線。

 武蔵森にも桜上水へも行かない。

 タイミングがいいのか悪いのか、ホームには電車が到着したところだった。三上と俺が乗車してまもなく扉が閉まる。聞きなれたアナウンスとメロディの後、車両は静かに走り出した。

 車内を見回すと、日中のためか客は まばらだった。すぐそばの席に腰をおろす。


「・・・・・あんた、何考えてんだ?」
 嫌がらせにしては(迷惑は迷惑だけど)無意味だ。
俺を別方向の電車に押し込んで困らせる、というなら(幼稚だけど) まだ分かるが三上も一緒に乗っているのだ。

 しかも、すぐ降りる気配もなく のんびり窓の外を眺めてやがるし。
まったくつきあってらんない。次の駅でおりて引き返そう。そう決める。と同時に少し好奇心がわいたので尋ねてみた。
「・・・どこ行くつもりなんだよ」

「墓参り」
 抑揚のない声が静かに答えた。

「・・・・・・・・・・・?」
 墓参り?。

 意外すぎる返答に毒気をぬかれる。別に今は彼岸でも盆でもない。そうじゃなきゃ参っちゃいけないというものでもないけど、学校をサボってまで?。

「墓参り、行くのか?」
 誰のだろう、と思った。

 隣から うかがえる三上の横顔は特に深刻そうな顔も悲しそうなカオもしていない。なんだか淡々としていた。

 俺の腕をつかんでいた左手は外されていた。あまり強くつかまれてはいないのに、じわりとした感触だけが まだ残っている。サッカー以外で人に触れられるのは あまりない。


 墓参り、なんていわれると神妙な気になってしまう。

 向こうが感情的でないのも手伝って、どういうつもりだとなじる気力が失せた。置いて俺だけ帰るのもどうかという迷いが生まれる。

 どうして俺をひっぱってきたかは謎だが、ヤツの墓参りにつきあわせるつもりらしい。一人で出かけるのが心細い、なんて弱気さとは無縁に見えるし、単に気まぐれなんだろうか。



 まあ、学校は早退してるわけで、さしあたって問題はないけど・・・・。



 ―――― 俺のこと、顔も見たくないほど憎んでる、ってわけでもないのかな ――――



 他人からの悪意にはきっと敏感だ。だって慣れてるから。
俺の転校話が持ち上がった時 (それは監督のエゴで三上のポジションが奪われることとイコールだった)。
 出会った三上から感じたのは俺への強い悪意と敵意だった。





 でも今黙ったままの三上からはそれをあまり感じない。

 その事に少しホッとした。










06 10 27




 いくつ駅を通過した後だろう。電車に揺られ40分ほどたったところで三上は急に立ち上がり、

「行くぞ」
 偉そうに俺を促した。

 降りた駅は知らない名前だった。たった二本の線路しかない、小さな駅。太陽はだいぶ下へと降り始めている。こんなに長く電車に乗ったのは久しぶりだ。

 三上は桜上水行きの俺の切符を受け取ると精算機に通した。精算済みの新しいチケットをまた俺によこす。俺の運賃は三上もちらしい。まあ当たり前か。

 けど こいつにおごられるというのは なんともきまり悪い。ありがとう、というのも変なので黙って受け取った。改札を通る。

 駅の印象と同じく、こじんまりとした街だった。背の高い建物は駅周辺に ちょこちょこある程度で、あとはのどかな住宅街が広がっている。


 ―――― ここに墓があるのか?。


 気になりつつ、相変わらず言葉少なな三上の二歩後ろを歩く。
なんで俺がついてかなきゃいけないんだろうと何度も自問したけど、背を向けて ひとり帰る気にもなれなかった。

 三上はこの町の地理に詳しいらしく、迷いのない歩調で進んでいく。都市部から離れていこうとしているみたいだった。


 会話なんかほとんどないまま、さらに駅から十分ほど。
前方に、森というほどではない、自然公園のおまけといったカンジの木々に覆われた丘が見えてきた。

 緑にあふれた広い敷地は、子供の遊び場になっているらしい。丘は人間の手がそこここにはいっている。歩きやすいよう斜面には滑り止めの木が階段のように埋められていて、スニーカーじゃなくても頂上まで行くのに問題ない。山登りでなく散策という風だ。

 一番上まで行くのかな、となんとなく思ったが三上は途中正規のルートをはずれ、細い道ともいえない道を進んでいく。


 ついたのは、周囲からは見えないほど厚い木々に囲まれたスペースだった。

 ぽっかりと木々の間にある。直径3メートルほどの空間で、子供が見つけたら秘密基地にしたがるような。


 三上はここを目指してたんだろうか。


 下は雑草がところどころにはえたフツウの地面だ。けど、スペースの中ほどにサッカーボールほどの大きさの石がひとつ置かれていた。不自然といえば不自然に見える。


 そこで三上は足を止めたが、特に何をするでもなかった。
石から少し離れた場所にただ突っ立っている。どのくらい近づいていいのか、離れていた方がいいのかも分からない。

 そもそも、俺は目の前の男について、名前と、強豪サッカー部の10番であることぐらいしか知らない。だから、なんて話しかければいいかなんて分かるはずもなかった。




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・墓。


 だろうか。



 おそらく公共のものであろう丘の、隠れた秘密の場所のような所に、ひとつ目印の石。
 三上はここに来たかったんだろうか。

 花も、供えものも、何も持たずに。

 手も合わせず、ただつっ立ったまま。



 怪訝に思う俺に気づいたのか、やっとその気になったのか、三上は石を見下ろしたまま、静かに話し出した。

「ホントの墓は、実家の方にあるんだけどな。ここはそいつが気に入ってた場所」

 だから、三上が作った墓、なんだろうか。


 分かったような分からないような感じで俺は なんとなく あいづちをうった。
と、三上は唇をゆがめた。失笑というヤツなのか、笑おうとして失敗したのか。

「まあどっちにも骨はねぇんだけど」
 ポケットに両手をつっこんだままの姿勢で、静かに吐き捨てた。

「・・・骨がない・・・?」
 葬式をして ふたつも墓を作って・・なのに骨がない。という状況が俺には理解できなかった。つい繰り返してしまう。


「死体は現地で処分されて、遺族には髪一本戻らない。そーいう規則だ」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 なんの話をしてる?。


 なんだかゾッとした。
三上の淡々とした口調は恐怖を煽ろうなんてしてなかったけど、余計に恐ろしかった。


「殺されたんだ」


「・・・・・・・・・冗談だろ」
 石に目を落としたままの三上に振り向いて欲しかった。返した俺の声は少し震えていたかもしれない。

「殺されたなんて、ウソだろ」

「・・・・」
 三上はかすかに肩を揺らした。笑ったようだった。
ようやくこちらに顔を向け、馬鹿にしたような笑顔を見せる。


「お坊ちゃんは虫も殺したことございませんて?」


 俺に注がれた視線は、冷たいというよりむしろ優しげだった。
口調と表情とそぶりと、なんだかすべてバラバラで困惑する。

 やっぱりこんなヤツにつきあわないで帰ればよかった、と思った。なんだか、感情の奥をひっぱり出されそうな不快感を覚える。


「まあ俺もそう言ったんだ。あいつが死んだって聞いたとき」



 ―――― 『冗談だろ?』



「ここは従姉妹の墓だ。俺よりひとつ上。去年プログラムで殺された」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 ―――― 『冗談だろ?』


 なんてもう言えない。否定できないリアルがそこにあった。
土の上の薄汚れた石。下に何も埋まっていない、ただの石。



 けど、これは『墓』だ。



 きっと三上がひとりぼっちで作った、墓だ。








「知ってるか?。イトコ同士って結婚できるんだぜ」
 三上は墓から完全に背を向け、俺に話しかけた。
打って変わって軽い口調で。きっと、クラスメイトと話すときはこんな感じなんだなと思わせる明るさで。

「知ってる」
 父方の方だから今では交流がないけど、同い年の従姉妹がいる。
オバさん達に そうからかわれた事があった。血が近いと結婚できないけど、イトコは大丈夫だ、とかなんとか。

 思い出して ついしかめっ面になった俺をちょっと不思議そうに見て、三上は言葉を継いだ。
「俺 フったんだよコイツのこと。なんとも思ってなかったし。従姉妹だし。けど」



「あんな言い方することなかったって。今は思ってる」


「・・・・・・・・・・・・・」
 三上は、やっぱり表情は変えなかった。


 俺はこいつを直情的だと思い込んでいた。
以前三上が俺に ぶつけてきた悪意は、とてもストレートなものだったから。

 けど、今目の前でそう言った三上は、自分で自分の感情が分かってないみたいだった。
 どんな顔で言えばいいのか分からなくて、途方にくれてるみたいに見えた。

 それは後悔なのか。悲しみなのか。自分への怒りなのか。やりきれなさなのか。


 武蔵森の制服は、その長身で細身の身体によく似合っていた。おとなびていて、高校生のように見えた。

 けど、どうしたらいいか分からないと困っている三上はなんだか子供のようにも見えた。思わず、手をさしのべたくなるような。


 今この場には俺と三上しかいなくて。
こいつに言葉をかけてやれるのは俺だけだったから、なにか、伝えなきゃいけないと思った。今かける言葉は、きっと三上に伝わる。そんな気もした。


「・・・・俺にじゃなくて、その人に、そう言ってやれよ」
 墓に背を向けてつったってる三上に、俺は言葉を選びながらゆっくりと声をかけた。






 以前、祖母と一緒に祖父の墓参りに行った時のことを思い出した。
先に永の連れ合いに死なれてしまった祖母の気持ちなど子供の俺にはわかりようもなかったけど、墓石に向かって生前と同じように話しかける祖母はなんだか幸せそうだった。

 なんで話しかけるの? と聞いた俺に、
「そうするとちゃんと おじいちゃんにも聞こえるのよ」と笑って答えた。




 俺の話に、三上はきょとん、という風に目をみはった。

 馬鹿にされるかと思ったけど、少しして三上は「そうだな」とうなずきを返して、笑った。傷ついたような笑顔だった。


 幽霊とか死んだ後のこととか、俺には分からないけど。

 亡くなったその子が。
もし今の三上の顔を見たら、きっと何があっても許してあげてるだろうと、思った。




 三上の従姉妹の住居は この近くにあるらしいが、寄って行く気はないらしい。あの丘と公園は、ふたりが小さかった頃よく遊んだ場所だそうだ。
 暗くなじみもない霊園に立つ『先祖代々の墓』より あそこの方が気に入るだろうと、彼女の死後三上は勝手にそこを墓として石を置いたと言った。

 身体はもとより、所持品も何もかも戻ってはこなかった。
プログラムを実施した小さな島―――― 名南島というらしい―――― に彼女のすべては放られた。

 どんな風に彼女が政府のプログラムの中で生き、そして死んだか、家族の誰も知らない。三上も知らない。

 報道されたのは死因だけだった、そうだ。



 沈みかけた太陽は光を赤がかったオレンジに変え、俺と三上を照らした。

 三上は ぽつぽつと言葉をつなぐ。わかりやすく話そうなんて思ってないから時間や状況はバラバラで、俺は頭の中で何度もそれを組みなおして話を聞いた。


その従姉妹のこと。

子供の頃のこと。

墓を作ったときのこと。




 ―――― これは、本当は見ない方がよかった三上の弱味なのかもしれない。


 そうも思った。


 この先も公式戦で当たる強敵の、弱さといえる人間味。今ここに俺はいない方が良かったのかもしれない。


 けど、今日のすべての道のりが三上ひとりだけだったらと思うと、そうさせちゃいけないとも感じる。


 今日会えて良かったのかもしれない。







「覚えておいた方がいいんだろうな」

 駅へと向かう道。
ガードレールも店の看板も、総てが赤く染まっていた。

 三上のブレザーも、コシの強そうな黒い髪も、赤みを帯びていた。
キレイだった。



「そういうこともあるんだ」

 眼光を強く感じるのは、虹彩の色が濃い黒だからだ。
夕日に照らされても、そこだけは夜空みたいだった。
キレイだった。


「道が急になくなったり、曲がったり、他人に壊されたりする。そういうこともあるんだな」

 あまりノドが強くなさそうな、低くかすれ気味の声。
試合中に聞いた声とまるで違って聞こえた。



「三上・・・」




 今日は一周忌なのだと三上は言っていた。
去年の今頃、プログラムは実施されたのだ。

 ニュースで・・・見た気はする。
大体2年に一度ほど (しかし不定期なのでそれはあくまで統計だ)、中学3年生を対象に行われる生徒同士の殺し合い。
 好ましいと思うはずがない。俺はいつも逃げるようにチャンネルを変えていた。


 三上は今中3だ。
俺より、ひとつ年上。

 それに気づいたのと同時、心を読まれたように、
「俺も今3年だしな」
 三上が口にした。

「・・・・・・・・・・」
 プログラムに選ばれるのは・・・確か、交通事故に遭って死ぬのと同じくらい、つまりとても低い確率だと聞いた。しかしそんな論法は、実際に従姉妹を失った三上に できるはずもなかった。


 目の前の男が。
BR法の犠牲になって、来年にはこの世からいなくなる・・・。


 そんな未来があるのだろうか。いや、あり得るんだろう。そういうこともあるんだと、ヤツも言った。けど、

「公式戦で優勝して高校サッカーでも活躍。それで将来はプロ選手」

「・・・あ?」

「それがアンタの道じゃないのか?」

 目の前の男が。
BR法の犠牲になって、来年には この世からいなくなる・・・。

 そんな未来より。
こっちの方がふさわしい。

 確かに、道は急になくなったり、曲がったり、他人に壊されたりする。そういうことも実感なんかまるでないけど・・・ありえるんだろう。けど。けど、三上は



「・・・っハハハハっ」

「・・・・・・へ?」
 驚いた。

 三上が笑ってる。

 嫌味ったらしくも皮肉っぽくもなく、ただ笑っていた。
なんだか、親身になってた自分を笑われたようでムカつく。

「なんだよ!!」

「だってお前・・公式戦で優勝って・・・ウチが優勝でいいのかよ?」

「あ・・・・・」



 そうだ。なに三上の応援してるんだ俺は。
大会で打倒武蔵森を目指してる俺達桜上水が。

 三上は「まあウチが優勝なのはお前に言われなくても当然だけどな」とまだ笑っている。にくたらしい。



 けど、心のどこかがホッとしたのも事実だった。









 また片道40分電車に揺られ、互いの帰路の分かれ道となるホームで。

「桐原」

 三上が呼んだ。
俺は水野だ。そうムカっときつつ返したが それはムシして、



「俺がプログラムにひっかからなくて、お前も来年ひっかからなければ」



「お前、武蔵森こいよ」




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 返事の前に、三上はアッサリ背を向けて去って行った。

 返事を考える余裕もなく、俺はそのブレザーの後ろ姿を呆然を見送った。







07 3 11







つづく















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By 伊田くると

06 10/27〜