不幸自慢
〜くらサマからいただきましたv〜
ゾロのことは好きだなァ。俺。 わかりやすくて、いいよな。うん、スゲェ好き。 あいつはもう、ほんとに笑っちまうくらいわかりやすい。 だから、俺は嘲ってやる。 お前、わかってんだろ?わかってて欲しがってんだろ?って、見せ付けてやるのが気持ちイイ。 後ろからやるのが俺のお気に入り。 正面から顔が見えないのはちょっと惜しいけど、まるで助けを求めるみたいにすがり付いてくる腕がないのも少し物足りないけど。それよりも。 「これ、随分薄くなってきたな」 「……あ?」 背中に指をすべらせる俺に、サンジは何のことだかわからないでいるような声を上げて、こっちをちょっとだけ振り返った。 サンジの背中には、小さいとは決して言えない傷痕がある。 それを見ながらやるのが、俺のお気に入り。 これは、サンジがあの雪山で俺に命を懸けた証し。俺を助ける為に負った傷。俺の為の傷。 薄れてはきているけれど、きっとこの傷は一生残る。今となってはそれを密かに喜んでる俺がいる。 なぜって、ゾロがどんなにサンジを手に入れようとしても、この背中の傷を見る度にサンジは誰のものか思い知らされるだろうから。 だからこれは、俺のしるし。サンジが自分でつけた俺のしるし。 これがイラついて仕方ないんだろ、ゾロは? サンジを欲しがってる自分と、それを否定したがってる理性とか常識とかいうモンがせめぎあって、でもどっちにしても既に自分のもんじゃないサンジにイラついてんだろ? まだ手を出しもしないで。(ま、手ェ出したら出したで、俺は黙っちゃいないけどな) サンジの前じゃ平気なフリして余裕ぶちかましてさ。(それが俺には笑えちゃって仕方ないんだけど) それでいて俺には敵意むき出しのオーラ発してんだから、俺もう怖くって怖くって。(大笑) 俺のしるしに沿って舌を這わせたら、サンジは背中をビクンと震わせて、声にならない声を上げた。うん、イイ感じ。感度は良好。 ゾロ、お前もそう思うだろ? 「───ッル、フィ……ッ、アァ……ッ!」 絶頂に達してそのまま意識を失ったサンジを背後から抱きしめていると、もうずっとそこにあった殺気が、不意に物凄い速さで迫ってきた。 ────ッ。 よく切れる刃物は無闇な音を出さないってのは、本当らしいな。 俺の髪の先をいくらか散らせて、目の前の甲板にゾロの刀が突き刺さっていた。大事な大事な、幼馴染みの刀。 少し遅れて、片方の頬に鋭い痛みと、濡れる感覚。 ゆっくりと体を起き上がらせて、マストの上の見張り台を見上げた。 そこには明かりがあるわけでもなく、ここからじゃ見張り台の様子は窺えない。でもわかってる。 今夜の見張りは、ゾロ。 それを知ってて、俺はサンジを甲板に連れ出したんだけど。 ラウンジからの明かりがもれてるから、ゾロのいるところからはここがよく見えるはずだ。イヤになるほど、よく見えるはず。 頬を流れる血を拭いもせずに、口の端を歪ませて嘲ってやった。 こんなことしても無駄だってことは、わかってんだろ? わかってて、それでも無駄なことをせずにはいられないゾロに、だから俺は見せ付けてやる。 ゾロがどう足掻いたって、サンジは俺のなんだって。 刀にこめられた殺気は本物だった。 でもそれをすんでのところで外した、それがゾロの甘さ。 俺なら、間違いなく殺してたよ。 その甘さをもしも『理性』と呼ぶなら、それはゾロの不幸。 俺の知ったことじゃないね。 終
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★くらサマのコメント★
1313を踏んで頂いた伊田くると様へ
お題「ラヴなルサンに横ヤリ入れるゾロ」でした
しししかし横ヤリとかそんな状態じゃ既に全然ない内容に…あわわ
横ヤリときて真っ先に思ったのが「ゾロなら槍ってより刀だな。横刀?(笑)」とかいうアホな事
そういうわけで、ゾロに刀を投げさせてみたかったんです
アホを実行に移してしまうとは、さては真のアホだな自分
ありがとうございましたーーーv。
趣味丸出しのリクに素晴らしい作品を下さり、本当にシアワセですーーっv。
この三角関係、サイコーですーーv。船長・・・さすが!。
そしてくらサマのコメントもツボでした。
やっぱゾロは横刀ですよね!!
★伊田くると★
サンジ 「おいルフィ?!、どうしたんだよその傷!。何かにひっかけたのか?、スッパリいってるじゃねぇか。刀傷みてぇに」
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